Cubase MIDI デバイス #1

Cubaseの深淵、シーラカンスのごとくかなり昔のバージョンから進化することなく、わかりにくいまま放置されている「MIDI デバイス」について掘り下げます。このページでは基本的なデバイスの設定のみ記載しており、パネルについては #2 に記載しています。

全体像

基本となる用語とその関連は以下の通りです。

 

中心となるのが「MIDI デバイス」、これが各楽器の「箱」に相当するものとなります。ただの「箱」であるため「MIDI デバイス」自体には名前以外の設定項目はありません。

 

「MIDI デバイス」には大きく「デバイス」と「パッチバンク」の2つの設定があります。

「パッチバンク」は楽器のパッチ名のリストになります。MIDIデバイスをインストールするとインスペクターでパッチ名が選択できるようになります。外部の楽器を使用している場合このリストがないと使い物になりません。

 

「デバイス」はリモートで楽器を操作するための設定箇所になります。この「デバイス」の中に実際の設定項目に相当するのが「(デバイス)ノード」が含まれており、階層構造 (1階層のみの場合もあり) となっています。一番上位のノードは「ルートノード」と呼ばれています。2階層以下のノードは汎用名としての「サブノード」や、xxxのノードと呼ばれています。サブノードは複数作成することができ、さらにサブノードの下にもサブ(のサブ)ノードを追加することができます。インタフェースにあたる「パネル」は各ノードで追加します。

 

最後にこれら「MIDI デバイス」を管理しているものが「MIDI デバイスマネージャー」になります。

 

このページではザ・キング・オブ・使いにくい「デバイス」にフォーカスしてメモしていきます。

MIDI デバイスの作成 (基本)

まずはMIDI デバイスの大まかな追加方法について記述します。

 

新規作成する場合には「デバイスのインストール」をクリックします。

 

音色名が入力された既存のプリセットも選択できますが、新規作成する場合は「新規定義...」を選択します。

 

「新規 MIDI デバイスを作成」 画面で大まかなスタイルをイメージしながら設定します。「チャンネルパラメーター」にチェックが入っていますがパラメータを選択していない場合チェックが付いていない場合と同じ動作となります。作りこみが甘いですね。

 

デバイス追加の基本操作は以上で完了です。MIDI デバイス作成時にデフォルトでチャンネル「1」が選択されていたため、「ルート」ノードの変数にもチャンネルが追加されています。「パッチバンク」の設定をしたい場合はウィンドウ上部の「デバイス」を「パッチバンク」に切り替えて行います。

 

MIDI デバイスマネージャーにも無事追加されています。後は「出力」の項目でMIDI Output先を選択して一連の作業は完了です。

 

MIDI デバイス名は同じ名前のものを複数作成できるため、誤ってこのように同じ名前のMIDI デバイスを作成した場合は「インストール済みデバイス」内の名前を選択してリネームします。

作成時の設定によるデバイスの相違点

チャンネルを選択しない場合

チャンネルを外してみます。

 

ルートノードが一つ追加されている他には何も設定がされていない一番シンプルな状態で作成されました。

チャンネル1を選択してチャンネル設定にボリュームを追加した場合

ボリュームのパラメーターにチェックを入れます。

 

ルートノードの変数にチャンネル(channel) が設定されています。

 

パラメータ「ボリューム」も追加されています。

 

サブノードを追加した場合、チャンネルは上位のノードの設定を継承します。

サブノードのチャンネル変数にはカッコ付きの値が設定されており、ルートノードの設定を変更すると追従して変更されます。

 

チャンネル1と2を選択した場合

チャンネル1と2を選択します。チャンネルパラメーターは上述の通りチェックが付いていても外れていても動作は同じです。

 

今度はルートノードにチャンネルの変数が設定されません。

 

自動的に作成されたサブノードの一つ「チャンネル1」を選択すると変数「channel」には「1」が設定されています。

 

同じくサブノード「チャンネル2」を選択すると変数「channel」には「2」が設定されています。

 

チャンネル1と2を選択してチャンネル設定にボリュームを追加した場合

チャンネル1と2を選択してボリュームパラメーターをチェックします。

 

サブノード「チャンネル1」「チャンネル2」が作成されており、それぞれの下にパラメータ「ボリューム」が追加されています。

 

ボリュームを選択したところです。